接着歯学
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OptiBond Solo PlusTM, OptiBond All-In-One®と歯質との接合界面の観察
杉崎 順平森上 誠宇野 滋山田 敏元
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2008 年 26 巻 2 号 p. 77-86

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抄録

コンポジットレジンの歯質との接合界面の様相は, ボンディングシステムによって異なる. 今回, サイブロンデンタルから市販されている比較的成分の似ている2種のボンディングシステムOptiBond Solo PlusTM (OS), Opti-Bond All-In-One® (OA) を用いて, その歯質との接合界面を観察し比較検討した. すなわち, ヒト新鮮抜去臼歯歯冠部の健全エナメル質, 象牙質, う蝕除去後の象牙質を被着面として接着試片を作製し, 従来から行っている方法によって, アルゴンイオンエッチング後にFE-SEMを用いてレジン-歯質界面を観察した. その結果, OS, OAの2種のシステムはともに歯質との接合状態は良好であったが, その界面の様相, 特にその脱灰効果の面で差が認められた.OSにおいて象牙質表層に約1μmの幅でハイブリッド層が観察されたのに対し, OAではその幅は狭く, 0.2-0.3μmであった. しかしOAのアドヒーシブにおいては, 三元系溶媒システムの使用により短時間に効果的に歯質を処理することによって, 特にエナメル質への接着性を向上させている可能性が示唆された.

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