2000 年 36 巻 7 号 p. 250-258
ダポ材(イタヤカエデ)と母材(スギ)をポリメリックMDI(PMDI)またはポリウレタン樹脂を用いて接着し,2種類の木ダボ接合試験体を作成した。各試験体について顕微赤外分光法(拡散反射法)で接合部付近の2次元測定を行った。NCO基の逆対称伸縮振動(2270cm-')を指標とし,接着剤(イソシアネート化合物)の濃度に対応させて配色を施したマップを作成することで浸透状態を示した。その結果,粘度が低いPMDI(約0.2Pa.s)は母材に対して,特に繊維方向に過剰な浸透を起こすことが明らかになった。一方,ポリウレタン樹脂(約200Pa.s)では,比較的低分子量の成分のみが母材へ浸透することが示唆された。