2000 年 36 巻 9 号 p. 355-361
アリル基を有するエポキシ樹脂(DADGEBA)のアリル基とオルガノポリシロキサン(PDMSi-H)の末端水素とを反応させることにより,分子内にアリル基を有するシロキサン変性エポキシ樹脂(ESDG)を合成した。ESDGをビスフェノールA型エポキシ樹脂(DGEBA)に改質材として配合し,硬化剤としてトリエチレングリコールジアミンを用いた系における硬化物物性について検討した。その結果,硬化後にESDG粒子がDGEBAマトリックス中にドメインとして分散し相分離構造を形成し,靭性が向上すること,さらにESDGの分子量,配合量により分散粒子径が変化し,硬化物の靭性に影響を与えることがわかった。また,動的粘弾性測定により求めたガラス転移温度(Tg)は少し低下したが,はく離接着強さは向上した。