日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
技術論文
エポキシ樹脂とシリカとの相互貫入型複合体の!性質
田中 裕子山口 宗明
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 36 巻 9 号 p. 376-381

詳細
抄録

ケイ素アルコキシドと水溶性高分子の相溶溶液から,相分離現象を利用して得たシリカ三次元網目構造体を用い,シリカと高分子がそれぞれ連続構造を持つ複合体に期待される特徴を調べるために,エポキシ樹脂を充てんした相互貫入型複合体(IPN)を作成し,熱機械的性質や熱的性質を調べた。シリカーエポキシ樹脂IPNは,エポキシ樹脂の転移温度以上でも高い貯蔵弾性率を示し,エポキシ樹脂の50-80倍の弾性率であった。また,シリカ相によってエポキシ樹脂が保護され,高温域に損失弾性率のピークをもつ複合体であった。シリカ相は,加熱によって結合する未反応基を含むため,低膨張率で熱収縮性を示した。

著者関連情報
© 2000 一般社団法人 日本接着学会
前の記事 次の記事
feedback
Top