抄録
エポキシ樹脂にアルミニウムアルコキシドをin-situ重合させて得られたアルミナ含有量の異なるエポキシ/アルミナハイブリッド体の相構造及び熱的・力学的性質について検討した。またこのハイブリッド体に導電性フィラーを共存させた系の導電率とその温度依存性についても検討した。このハイブリッド体では,アルミナを含む微細な分散相がエポキシマトリックス中に均一に分散している様子が透過型電子顕微鏡(TEM)により観察された。動的粘弾性挙動においては,少量のアルミナとのハイブリッド化でエポキシ樹脂のtanδピークの高温への移動および面積の減少が観察され,高温域での弾性率が大幅に改善された。これはハイブリッド化によりエポキシ網目鎖の可動性が抑制されたためであると考えられる。このようなハイブリッド体に導電性フィラーを添加した系では,高温域での導電率の低下が観察されなかった。これはアルミナとのハイブリッド化によって網目鎖の運動性が抑制され高温域でも硬化物の自由体積の増加が非常に小さいためと考えられる。