抄録
ビスヒドロキシフェニルジシロキサンおよびビスフェノール-Aよりニトロフェニルエーテル化,水素還元により芳香族ジアミン,1,3-ビス(4-(p-アミノフェノキシ)フェニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン)(BAPPSi)および2,2-ビス(4-(p-アミノフェノキシ)フェニルプロハパン)(BAPPA)を合成した。これらの芳香族ジアミンを用いて,3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 (BTDA)や1,2,4.5-ピロメリット酸二無水物(PMDA)なドとのポリアミド酸を経て全芳香族ポリイミドを合成した。イミド化の加熱条件はFT-IRスペクトルの変化より求め,200℃1時間とした。シロキサンを含んだBAPPSiからのポリイミドの5%重量減少温度は,シロキサンを含まないBAPPA からのポリイミドと同程度で,500°C以上の耐熱性があった。シロキサンの導入により対水接触角は大きくなり接水性が増すことが確認できた。また,ガラスとの密着性は,湿度95%,温度120°C中に長時間放置した場合の碁盤目試験でも著しく向上した。BAPPSiとBAPPAから合成した共重合ポリイミドとそれぞれのポリアミド酸をブレンドして硬化させたブレンドポリイミドを比較したところ,ブレンドポリイミドではシロキサン含量が少なくてもその効果が大きいことが確認できた。