抄録
リン酸(PA)を含有したセルロースアセテート(CA; DS=2.5)フィルム/繊維の生分解挙動をラボ土壌埋設試験により調べた。その結果,無添加のCAに比べ,PA含有CAでは生分解速度が向上した。このPA含有CAは,蔵置(相対湿度60%)において,CAのアセチル基の脱離を示唆する酢酸の生成およびDSの低下が認められた。一方,ポリビニルピロリドン(PVP)およびPAを含有したCAの場合,その生分解速度はPA含有CAとよく一致したもの,蔵置下におけるPA含有CAで認められたCAの脱アセチルに起因する酢酸の放出は抑制された。IR分析から,PA含有CAでは,PAとCAのアセチル基との相互作用が認められた。一方,PVA-PA含有CAでは,PAはCAのアセチル基よりPVPのカルボニル基と優先的に相互作用していた。水が過剰に存在する環境下ではPAが酸触媒として機能し,CAのDSは低下した。