抄録
天然リグニンから相分離システムにより誘導されるリグノフェノールの接着剤への展開について検討した。リグノフェノールは,樹木成分の約30%を占めるリグニンの3次元網目構造を解きほぐした新規な材料であり,その構造中には多くのフェノール性およびアルコール性水酸基を含んでいる。そのため,植物資源由来の‘ポリオール’であると捉えることができる。これをネットワークポリマーの架橋剤に用いれば,通常用いられるポリオールよりも反応点が多いため架橋密度が高くなり,高性能化が期待される。そこで,ポリウレタン樹脂のポリオール代替材料としてリグノフェノールを用い,その接着性能および熱的性質の向上を試みたところ,通常のポリウレタンに比較して最大2.6倍接着強度が向上し,かつ高耐熱性の接着剤が得られた。