日本接着学会誌
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研究論文
プラスチック/粘着剤積層板の衝撃破壊挙動
松田 聡岸 肇辻 宏樹村上 惇
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2005 年 41 巻 10 号 p. 386-392

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抄録
粘着剤は粘着テープを中心に幅広く利用されているが,タック性だけでなく他の機能も注目され始めている。本研究では,粘着剤の衝撃吸収性に着目し,プラスチックとの積層による耐衝撃性の改善を試みた。4種類のプラスチック,ポリカーボネート,ポリアミド,ポリアセタール,ポリメチルメタアクリレートと粘着剤を積層した試料の貫通衝撃試験を行い,粘着剤が衝撃特性に及ぼす影響について検討を行った。プラスチック単層板と粘着剤を貼り合せた試料では,プラスチックの種類によってその効果は異なり,ポリアセタールにおいて衝撃吸収エネルギーが約4倍まで上昇した。プラスチック板3枚を粘着剤で貼り合せた試料では,すべての材料で粘着剤貼付による吸収エネルギーの増加がみられたが,特にポリアミド6,6,ポリアセタールで大きなエネルギー増となった。粘着剤との貼り合わせにより衝撃エネルギーが大きく増加した試料はすべて,衝撃速度が低下するにつれて吸収エネルギーが増加する傾向があり,その増加の原因はひずみ速度の低下が主要因であると結論づけられた。
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© 2005 一般社団法人 日本接着学会
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