抄録
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)溶液中においてテトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解,重縮合によりシリカ微粒子を合成し,得られたシリカ微粒子の表面化学状態をX線光電子分光(XPS)によって分析した。さらに合成した微粒子を焼成し,77Kにおける窒素ガス吸着および比表面積測定,透過電子顕微鏡(TEM)による観察を行った。XPS測定の結果から,HPC溶液中で得られたシリカ微粒子の表面にはHPCが化学吸着していることがわかった。焼成した微粒子では,HPCが消失してメソポアが生じており,合成時のHPC添加量が増加するにつれて,窒素吸着量は増加し,比表面積も大きくなる傾向が見られた。また微粒子合成時の溶媒としてn-ブタノールを用いた方がエタノールの場合に比べて,HPCの濃度変化に伴う焼成粒子の比表面積の変化が大きいことがわかった。これらの結果はHPCとシリカ前駆体の相互作用の程度によって説明することができた。HPC溶液中での粒子生成機構についても考察した。