抄録
接着界面における吸水による界面破壊の起こりやすさを予測する手段として,ステンレスにエポキシ接着剤を塗布した試験片の水中浸漬試験,引張せん断試験および蛍光物質をトレーサとして使用した接着界面の観察を行った。樹脂としては,ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤,複素環式ジアミン変性物又はDDM (p,p'-メチレンジアニリン)を硬化剤に用いた。まず,樹脂を塗布したステンレス(SUS304)板を水中に浸漬し,質量の時間変化を測定した。その結果,硬化剤にDDMを用いた樹脂系で,樹脂硬化物以上の飽和吸水量が確認された。さらに,引張せん断試験を実施し,強度を確認した。また,エポキシ樹脂を塗布した金属片をローダミンB水溶液に浸漬し,その断面を蛍光顕微鏡で観察した。その結果,硬化剤にDDMを用いた樹脂系では,界面で特異的に高い輝度が見られた。