抄録
本研究では,エポキシ樹脂の硬化反応メカニズムについて解析し,室温で硬化時間を短縮しつつ,耐熱性も向上させる方法を見出した。その手法として,著者らはまず分子シミュレーションで活性化エネルギーを算出し,熱板法で硬化時間を確認し,これらの間に相関がある事を確認した。次に付加重合反応の活性化エネルギーと比較して,単独重合反応の活性化エネルギーが低くなる硬化剤と触媒の組合せである材料ほど架橋密度が上がることを分子シミュレーションで予測し,粘弾性測定によって架橋密度(架橋点間分子量)や耐熱性の一指標であるガラス転移点(Tg)が向上する事を確認した。更にその理論に基づき,耐熱性と室温短時間硬化を両立する接着剤を開発した。