抄録
メルカプト基を含有するシランカップリング剤によるガラスビーズの表面処理を行って単分子層以上の被覆層を形成させた粒子を作製し, これを充てんした加硫ポリイソプレンゴムの力学特性を検討した。シランカップリング剤は, アルコキシ基の数が2と3のものをもちい, 被覆量は単分子層被覆に必要なシランの量 の約2倍から9倍の範囲で変化させた。シラン処理によって応力が向上し, アルコキシ基の数が3より2の場合の方が効果が高かった。アルコキシ基の数が3の場合は被覆量の影響が見られなかったが, 2の場合は被覆量とともに応力が上昇して単分子層被覆に必要なシランの量の約5倍で最大値を示し, それ以上では低下した。シラン処理したガラスビーズと未加硫のポリイソプレンの室温での混合物を作製し, テトラヒドロフランによる抽出試験を行った。その結果, 抽出されなかったポリイソプレンの量は, 力学特性の応力の大きさの傾向とよく一致していた。シラン処理によるゴムの補強性の向上には, 粒子/マトリックスの界面領域におけるシラン鎖のマトリックスへの広がりが重要であることがわかった。