抄録
本研究の目的は,実鋼構造物での接着接合部の物理的劣化因子に対する耐久性を検証し,接着接合が実鋼構造物に適用可能なことを証明することである。まず,実鋼構造物での接着接合部の物理的劣化因子を「地震や風による繰り返し変形」と「温度変化に伴う熱応力の繰り返し」による疲労に絞り込んだ。これらの条件を基に目標値を設定し,疲労試験を行った結果,目標を満足するだけではなく,構造上必要な接着せん断強度の約1.5倍の応力でもほぼ永久に破壊しないことが分かった。本結果は第1報で提示の劣化促進試験で90年相当の化学的劣化を与えた試験体で疲労試験を行うという過酷な条件での試験であるだけに,信頼性が高い結果だと考えている。第1報及び本報告により,接着接合部の耐久性を化学的にも物理的にも保証出来る有効な寿命推定手法を提示すると共に,本仕様の耐久性が住宅の品質確保の促進等に関する法律の最高レベル(90年以上)であることを証明出来た。