抄録
ポリプロピレン(PP) / ポリスチレン-block-ポリエチレンブテン-block-ポリスチレントリブロック共重合体(SEBS)/炭酸カルシウム(CaCO3)複合材料およびPP / カルボン酸変性SEBS (C-SEBS / CaCO3)複合材料について,モルフォロジーと耐衝撃性の関連を検討した。SEBS / CaCO3あるいはC-SEBS/CaCO3のマスターバッチをあらかじめ作製し,このマスターバッチをPPに混練する手法(マスターパッチ法)で調製した。PP/SEBS/CaCO3系は, CaCO3粒子がPP中に分散するモルフォロジーであった。一方, PP /C-SEBS /CaCO3系は, CaCO3が一定添加量以下ではすべてのCaCO3がC-SEBS中に含包されたコア-シェル構造を形成していたが,それ以上では一部のCaCO3がPP中に分散していた。PP / SEBS / CaCO3系では, CaCO3添加量に依存して衝撃強度が向上した。一方, PP / C-SEBS /CaCO3系は, CaCO3がすべてコア-シェル構造を形成するC-SEBS量の範囲では,衝撃強度がほとんど向上せず,これ以上のC-SEBS量ではPP中に分散するCaCO3に依存して向上した。また,マスターバッチ法による作製では,一括混練法と比較してより少量のCaCO3の添加で耐衝撃性が向上することが分った。