日本接着学会誌
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研究論文
フラーレン/熱可塑性ポリウレタンコンポジットに対するハードセグメント量の影響
熊谷 隆秀北村 真一山田 英介稲垣 愼二曽根 曽根
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2010 年 46 巻 3 号 p. 93-100

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抄録
ハードセグメント含量の異なる熱可塑性ポリウレタンエラストマー(PUE)をプレポリマー法のバルク重合で合成した。ソフトセグメントにポリオキシテトラメチレングリコールおよびハードセグメントに4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートと1,4-ブタンジオールをそれぞれ用い,モル比を変えて高ハードセクメント含有量PUEを得た。複合物は,高純度フラーレン粉末をPUEに2本ロールにて混練する方法で調製し,アニーリング温度を変えた複合物の諸物性を測定し,構造との関係を検討した。引張物性に対してフラーレン添加量が100ppm(W/W) 程度から添加効果が認められ,特に高ハードセグメント含量PUEほど,300%伸張以上に発現する分子鎖の伸張配向による伸び切り効果が顕著となった。さらに,この効果は,アニーリングの温度によっても影響を受けることが分かった。熱分析および動的機械分析の結果から,フラーレンの添加は,PUEのハードセグメントに選択的に作用し,物性が変化することが分かった。この様な少量添加では,加工性および成形性等に影響せず,ポリウレタンの有用な工業的改質法と言える。
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© 2010 一般社団法人 日本接着学会
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