抄録
フレキシブルプリント回路基板(FPC) 用のカバー材としてのシロキサン含有低弾性率感光性ポリイミド(PSPI) は, 銅(Cu) 表面との接着力が弱く酸性下での電解メッキによってニッケル/金がPSPI/Cu界面で析出する重大な間題(差込み) があった。本報告では化学的な手法(接着促進剤の添加) によって接着力を高め,メッキ差込みを抑制する事を試み,物理的な手法(表面粗化) と対比させて議論した。接着力を高める化合物として芳香族メルカプト化合物を見出し,その化合物をPSPIへ添加する事で,電解メッキによる差込みが抑制された。その効果は大きく従来のPSPI/Cu間の接着強度(6.0N/cm) から34.3N/cmと約5倍まで高める事ができた。透過型電子顕微鏡によってメルカプト化合物の薄膜(5~7nm) がCu表面に存在する事が分かり,メルカプト化合物がメッキ耐性に重要な役割を果たしている事を,膜物性評価と合わせて議論した。