抄録
メルカプト基を含有し,アルコキシ基の数が2と3のシランカップリング剤を混合して球状シリカ粒子の表面処理を行い,処理層のシラン分子鎖の易動性を1Hパルス核磁気共鳴で評価した。シランの被覆量は単分子層被覆に必要な量の3-4倍とした。アルコキシ基の数が2の場合のシラン鎖は直鎖状,3の場合はネットワーク状になり,1Hパルス核磁気共鳴の測定結果は前者がフレキシブルで後者がリジッドであることを示していた。混合処理系の緩和時間は単独処理系の中間で,混合比に依存していたが,単独処理系の緩和時間の複合則から予測した値より短かった。混合比に依存してネットワークの疎密が変化し,シラン分子鎖の運動性はネットワーク形成による分子連動抑制,つまりアルコキシ基の数が3のシラン分子の影響をより強く受けることが分った。