抄録
フラーレンを添加したSBSに対するUV照射の影響を検討した。 フラーレンとSBSを二軸ロールで混して調製した試料にUV照射をしたところ,フラーレンによる励起型の架橋反応が,1000 ppmW/W程度という少量添加の試料で起きることを確認した。その試料の照射表面のIR測定から,312nmに極大波長を持つUV照射では,照射時間とともにヒドロキシペルオキシド基が生成した後,カルボニル基が生成する一重項酸素の生成に起因するブタジエン鎖の架橋が進行するのに対し,さらに,254nmの波長を併用したUV照射試料では,両基がほぼ同時に生成して増加する通常のUV架橋が進行することを認めた。UV照射後の試料のトルエン浸漬試験,DSC測定およびDMAの結果は,用いた条件下でSBS表面のポリブタジエン鎖の架橋による物性変化が観察でき,徴量のフラーレン存在下で一連の架橋反応が速やかに進行し,諸物性が変化することを確認した。