日本接着学会誌
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研究論文
スピンースピン緩和のガウス展開による天然ゴムの素練りの解析
岩蕗 仁村上 浩二日笠 茂樹西 勝志
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2010 年 46 巻 9 号 p. 326-331

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抄録
天然ゴム(NR)の素練りによる構造変化をパルス法NMRによるプロトンのスピンースピン緩和によって解析した。従来のスピン-スピン緩和の解析では,成分ごとにスピン-スピン緩和時間T2とその分率F,ワイブル係数W(1≦W≦2)が得られるが,解析の客観性とWの解釈に問題を抱えている。そこで,スピン-スピン緩和の減衰曲線M(t)を,ガウス型の減衰(W=2)の重ね合わせとみなし,計算プログラムによって緩和スペクトルを求めることを検討した。得られた緩和スペクトルから再構成したM(t)と,実測のM(t)の一致は良好であり,作成した計算プログラムの妥当性が示された。素練りにともなう緩和スペクトルの変化から,素練りによって末端鎖と緩やかな絡み合いが増加し,分子運動が活発になることが明らかとなった。本研究で検討した新規手法によって,スピン-スピン緩和の解析におけるあいまいさが解消され,従来手法との併用によって,さらに多くの情報を得ることができると考えられる。
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© 2010 一般社団法人 日本接着学会
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