抄録
静的曲げモーメントを受けるスカーフ接着継手の接着界面での応力分布を二次元および三次元有限要素法により解析した。スカーフ角,接着層の縦弾性係数と厚さが接着界面応力分布に及ぼす影響を調べ,その結果界面端部の特異応力は接着層の縦弾性係数が増加するほど,接着層厚さが薄くなるほど減少することが分かった。三次元FEM解析で得られた界面端部の特異応力は二次元FEM解析のそれより大きいことも示された弾塑性FEM解析を用いて継手破断時曲げモーメントを予測した。FEM解析結果を確かめるために,被着体のひずみと継手破断時曲げモーメント測定実験を行った。ひずみと継手の破断時曲げモーメントの測定結果は三次元FEM解析で得られた結果とかなりよく一致し,スカーフ角約60oで破断時曲げモーメント(細i手強度)が最大になることを示した。