日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
研究論文
ポリアミド6の分子運動性と機械的特性
岩蕗 仁日笠 茂樹
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 49 巻 3 号 p. 92-97

詳細
抄録

 ポリアミド6(PA6)について,プロトンのスピン-スピン緩和時間(T2)をパルス法NMRによって測定し,水分吸着および温度による構造変化を解析した。乾燥したPA6は60℃以下では結晶およびガラス状態の非晶で構成され,単一のT2成分のみを示すが,温度の上昇,あるいは水分の吸着によって非晶の分子運動が活発になると複数のT2成分に分離された。PA6の貯蔵弾性率(G')は分子運動がきわめて低い成分(結晶とガラス状態の非晶)の量と分子運動性に依存した。一方,PA6の衝撃強度はゴム状態の非晶の量と分子運動性の増大に伴って高くなった。力学特性の変化は,水分吸着によるか温度によるかに関わらず,分子運動によって整理できることが明らかになった。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本接着学会
前の記事 次の記事
feedback
Top