日本接着学会誌
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総合論文
シリカ粒子充てんスチレンブタジエンゴムの力学特性とパルスNMRによる界面領域の構造解析:シランカップリング剤前処理とインテグラルブレンドの比較
福田 知由藤井 秀司中村 吉伸佐々木 眞利子
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2013 年 49 巻 4 号 p. 112-119

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抄録

シランカップリング剤の添加方法が,シリカ粒子充てんスチレンブタジエンゴムの力学特性におよぼす影響について検討した。前処理法とインテグラルブレンド法を比較した。メルカプト基含有シランカップリング剤でアルコキシ基の数が2の場合,前処理法の200%モジュラスがより高かった。これに対して3では,インテグラルブレンド法の方がより高かった。この理由は以下である。アルコキシ基数2の前処理法では, シラン鎖はシリカ表面で直鎖状に成長するので,これとゴム分子鎖との絡み合いが起こりやすい。アルコキシ基数3のインテグラルブレンド法では,ネットワーク形成とゴム分子鎖との絡み合いが同時に進行する。 その結果,いずれも補強性の高い界面領域が形成したものと考えられる。ポリスルフィド系シランカップリング剤の場合の200%モジュラスは,インテグラルブレンド法より前処理法の方が高く,シラン分子中のイオウ原子の数が2より4の方がわずかに高かった。シラン分子中のイオウ原子が加硫反応に関与し,イオウ原子の多い方がこの効果がより高かったためである。未加硫ゴムの1Hパルス核磁気共鳴分析から,複合材料のシランカップリング剤による補強性を推定できることが分った。

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© 2013 一般社団法人 日本接着学会
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