日本接着学会誌
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研究論文
PP/セルロース複合材料の力学特性に及ぼす相溶化剤の影響
日笠 茂樹藤原 和子
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2013 年 49 巻 4 号 p. 120-127

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抄録

 PP/セルロース複合材料に関して無水マレイン酸変性PP(PP-MAH)の共存による力学特性の変化を検討し,PP/タルクおよびPP/CaCO3複合材料と比較した。これらPP/フイラー複合材料においてはPP-MAHの共存によってPP/フィラー界面が接着している。また,PP/セルロース複合材料の引張降伏応力は,PP-MAHの共存によって向上する。この向上の程度は,代表的な鉱物系フィラーであるタルクやCaCO3よりも高かった。 弾性率は,フィラーの種類にかかわらず,PP-MAHの共存によってはほとんど変化しなかった。また,PP/フィラー複合材料の衝撃強度は,セルロース系<タルク系<CaCO3系の順であった。一方,PP/フィラー/PP-MAH複合材料の衝撃強度はフィラー種によらず,ほぼ同一であった。 これらのことから,セルロースは,相溶化剤を用いることで,PP補強材としての特性を一層高く発揮できるが,強靭性の向上には更なる課題があることが明らかとなった。

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© 2013 一般社団法人 日本接着学会
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