2013 年 49 巻 7 号 p. 249-259
静的引張り荷重を受ける異種材料被着体によるスカーフ接着継手の接着界面での最大主応力分布を二次元および三次元FEMにより解析し,接着界面最大主応力は三次元結果の方が大きいことを示した。接着長さ一定の場合と,被着体幅一定とした2つの継手形態の場合の接着界面最大主応力分布の差異は小さいことを示した。異種材料被着体の縦弾性係数比が小さくなるほど,接着層の縦弾性係数が大きくなるほど,および接着層厚さが薄くなるほど接着界面最大主応力は小さくなった。三次元FEM計算では,2つの継手形態に対し,スカーフ角が約60°において界面端部で発生する最大主応力は最小になった。ひずみ測定実験を行い,FEM結果と測定結果はかなりよく一致した。FEM計算により継手強度推定を行い,実験結果とかなりよく一致した。継手強度はスカーフ角θが約60°で最大になること及び被着体幅一定の継手強度が接着長さ一定の場合よりやや大きいことが示された。