2014 年 50 巻 2 号 p. 46-52
PP/エラストマー/フィラー3元複合材料に関して,エラストマー変量によって衝撃破壊挙動を脆性から延性へとコントロールし,その各々の破壊挙動においてフィラー粒子径が衝撃強度に及ぼす影響を詳細に検討した。ポリマー相が明らかに脆性破壊を起こすエラストマー未添加の場合,ほとんどのフィラーが衝撃強度を向上させた。特に,粒子径 0.12mm のフィラーを用いると,この衝撃強度の向上が顕著であった。一方,ポリマー相が延性破壊を起こす場合,粒子径 2.5mm以下のフィラーは衝撃強度を顕著に向上させ,粒子径3.0mm以上のフィラーは衝撃強度を低下させた。このように,フィラーによる衝撃強度の変化は,フィラー粒子径とポリマー相の衝撃破壊挙動の双方に依存した。