2017 年 53 巻 10 号 p. 338-347
D- ヒドロキシフェニルグリシン/L- チロシンヘキシルアミドおよびメチルエステルと,1,3,5- トリオキサンとのマンニッヒ型付加縮合をクロロホルム/ トルエン= 1/1 およびクロロホルム/1,4- ジオキサン = 1/1 中,110℃,24 時間の条件で行い,新規光学活性ベンゾオキサジンポリマーを定量的な収率で得た。ポリマーはメタノール中,カルボニル基およびベンゼン環の吸収領域に円偏光二色性(CD)シグナルを示した。CD シグナルのパターンと強度は置換基(アミド,エステル)ならびに,光学活性炭素とベンゼン環と間のメチレンスペーサーの有無によって大きく異なった。同様な差異は固体状態で測定したCDスペクトルにおいても観測された。L-チロシン由来のアミド型ポリマー3′はクロロホルム中,正の励起子キラリティーに基づく分裂型の振動円偏光二色性スペクトルを示したことから,カルボニル基は時計回りに配列していると考えられた。コンホメーション解析より,3′は伸びきり鎖構造よりも,折り畳み構造でより安定に存在することが示唆された。ベンゾオキサジン環の開環反応は240–260 ℃で定量的に進行し,対応する架橋ポリマーが得られた。