2017 年 53 巻 3 号 p. 77-82
異種高分子間の界面は,分子鎖が相互に侵入した界面層を形成している。非相溶性高分子対の平衡界面厚みは両高分子間の相溶性に依存し,それは薄く,接着強度は低い。スピンコートした試料どうしを張り合わせた系における界面形成過程を,高速エリプソメータを用いて測定したところ,通常の相互拡散とは異なる界面の初期厚化現象が見られた。これは,Tg以下で生じ,大きな厚化速度を示した。しかも,非相溶系では平衡界面厚みの数倍にも達した。これを利用して,非相溶系異種高分子どうしを接着させることができることを示した。