2020 年 56 巻 7 号 p. 272-278
材料表面に高分子鎖を高密度に共有結合で固定化( グラフト化) した薄膜( ポリマーブラシ) は,グラフト化する分子鎖の特性を材料表面に長期間付与する技術として注目されている。本研究では,表面開始原子移動ラジカル重合( SI-ATRP) 法,あるいは表面開始光ラジカル重合( SI-PRP) 法により,ポリブチレンテレフタレート( PBT) 意匠鋼板表面に親水性ポリマーブラシであるポリ( 2-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)( PMTAC) のポリマーブラシをグラフト化した。PMTAC ブラシグラフト化意匠鋼板では,一般的にユニットバス壁の防汚評価で使用されるすべてのモデル汚染物が流水洗浄で除去され,ナイロンによる10,000 回繰り返し摩擦処理後もセルフクリーニング機能が保持された。