2021 年 57 巻 2 号 p. 58-64
食品包装フィルムの回収品を模したLLDPE / ポリアミド6( PA6) ブレンドに関して,射出成形温度が相構造や力学特性に与える影響を検討した。射出温度170℃では, ダンベル型試験片中のPA6 粒子の形状や大きさは,射出成形前のストランド中と同様であった。しかしながら, 射出温度190℃以上ではPA6の形状やサイズが,射出温度によって変化した。一方,弾性率,引張降伏応力及び衝撃強度は射出温度の変化に伴ってわずかに変化したのみであった。LLDPE / PA6 ブレンドへのマレイン酸変性PP( MPP) の添加は,PA6 粒子径を顕著に小さくした。一方,このMPP の添加は,弾性率や引張降伏強度をわずかに変化させ,衝撃強度を顕著に向上させた。このLLDPE / PA6 / MPP 三元ブレンドでは,射出温度による力学特性の変化は,LLDPE/PA6 二元ブレンドよりも一層小さかった。このように,MPP の添加は力学特性の向上と安定の双方に寄与した。