2024 年 60 巻 2 号 p. 32-42
タルク(TC)/ポリプロピレン(PP) 樹脂複合材料の延性に及ぼすセルロースナノファイバー(CNF) 少量含有の影響を検討した。繊維径約20nm,繊維長10μm 以上の粉末状CNF,平板長さと板厚の異なる3 種類のTC,無水マレイン酸変性PP 樹脂(MAPP)を用いて,溶融混練で複合材料を作製し,引張試験を行った。その結果,体積が最も小さく,アスペクト比が最も大きいTC を10wt%,CNFを0.5wt%用いた複合材料の破断ひずみが,TC を10wt%用いた複合材料に比べて増大し,CNFの延性向上効果が発現した。また,複合材料の球晶観察と破断面観察,代表体積要素モデルを用いた球晶の粒径評価を行った。その結果,TC体積の減少に伴い球晶が小さくなり,TCとCNFの含有で,さらに球晶が微細化した。従って,球晶の微細化により塑性変形しやすくさせる効果が強く現れ,延性向上効果が発現したことが明らかとなった。