2024 年 60 巻 3 号 p. 68-74
疎水化されたセルロースナノファイバー(疎水化 CNF)をポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)に少量溶解させたものをソフト成分とし,ジイソシアナートとして4,4'- ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を,鎖延長剤として 1,4-ブタンジオール(BD)を用いて,各種 CNF/ 熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU) の複合物を調製した。PTMG/MDI/BD のモル比を 1/2/1 とし,その複合物の調製をバルク重合のワンショット法およびプレポリマー法で行った。得られた複合物の引張物性および高次構造を評価した結果,引張物性においては,いずれのCNF 添加複合物においても引張強さが大きく増大し,ワンショット法による調製物において,ミクロ相分離構造の形成がより進行していることを認めた。また,この要因として,疎水化CNF に残存する水酸基とイソシアナート基との反応が大きな影響を与えることを見出した。