不安障害研究
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総説
恐怖記憶研究鳥瞰
―最近の知見と展望―
井ノ口 馨
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2013 年 5 巻 1 号 p. 13-21

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抄録
恐怖は不安障害の基底症状の一つであることを考えれば,恐怖記憶がどのように制御されているのかを明らかにすることは,不安障害に携わるものにとって重要な意味を持つ。近年の記憶研究は,「記憶」は従来考えられていたよりはるかに動的なものであり,いったん脳内に強固に蓄えられた後もダイナミックに変化することを明らかにしてきた。「記憶」は,思いだすことに伴い不安定になったり,その後再び固定化されたり,消去学習により書き換えられたり,蓄えられている脳部位を変えたり,さらには新生神経細胞により制御されたりと,実にダイナミックな側面を持っている。これらの知見を基に,恐怖記憶の再固定化を阻害したり消去学習を促進することで,恐怖記憶そのものを減弱させるという不安障害の新しい治療法が想定されるようになってきた。また,神経細胞の新生を促進することで,トラウマ記憶が引き金となるタイプの不安障害の発症を予防できるかもしれない。
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© 2013, Japanese Society of Anxiety Disorder
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