抄録
強迫性障害の発症と維持には,“責任と脅威の過大評価”,“完全主義と曖昧さ不耐性”,“思考の重要性とコントロール”という3つの強迫的信念の影響が指摘されているが,mood-as-inputの観点からは慢性的な不安がともに影響していると考えられた。そこで本研究では,強迫的信念,慢性的な不安,強迫症状の関連を検討することを目的として,質問紙調査を実施した。“確認”,“清潔”,“優柔不断”,“疑惑”の4つを強迫症状とした調査の結果,“清潔”を除いて,予測されたように強迫的信念と慢性的な不安の両方が強迫症状と関連している可能性が示された。また,強迫症状と強迫的信念との関連については,“確認”と“完全主義と曖昧さ不耐性”,“優柔不断”と“思考の重要性とコントロール”,“疑惑”と“完全主義と曖昧さ不耐性”がそれぞれ関連している可能性が示され,今後の研究の課題について議論がなされた。