2007 年 12 巻 1 号 p. 66-71
本作品は、金沢駅周辺整備事業の一環であり、その最後を飾る施設である金沢駅東広場の竣工を祝う式典のディスプレイデザインである。金沢には、文化都市を自負している市民の高い美意識があり、加えて多様な時代への共感を求めることと、祝祭の演出表現までがデザインに求められた。短期間の制作条件と高さ29m×巾80m×奥行き60mの大型空間のディスプレイデザインは、いかなる素材と手法が最適な解かが課題であった。それらの与件から、透明感や開放感のある明るく軽やかで楽しい演出が創造でき、安全性と耐久性も求められる素材としてファイバー系素材を採用した。建築構造体がアルミトラス構造の空間環境から、吊りと張りの方式が適していると結論しデザインした。そのデザインの具現化の状況と設置後の印象や結果を記述する。