デザイン学研究作品集
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観察記録ツール“CAVScene”のデザイン2
植村 朋弘刑部 育子
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2015 年 20 巻 1 号 p. 1_102-1_107

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抄録
 CAVScene(Collective Analysis of Visual Scenes)は、研究者が保育における学びの活動を観察するためのツールとして研究開発された。CAVSceneはiPad用に開発されたソフトウェアである。観察者はCAVSceneによって、子どもと保育者の活動の重要な場面を動画や静止画で切り出し、気づいた内容を注釈として画面上に直接記述していくことができる。観察後はより詳細に観察を加えたり、簡易な編集をもとに保育者を交えてリフレクションをおこなう。そこでは観察者と保育者の双方の視点が融合され理解を深めていく。本報告ではCAVSceneの機能特性をもとに出来事を観察する仕組みを捉えた。1)出来事全体から時間の流れに従った「切り出し」と「位置づけ」を明確化すること、2)時間を越えて出来事の全体と部分の関係を俯瞰して見ること、3)言語と記号の記述方法で意味を理解すること、の3つである。
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© 2015 著作者
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