抄録
本研究では,FPS ゲームの銃声音とプレイパフォーマンスの関連性を調べるため,『VALORANT』を対象として,音と見た目の変化による印象評価実験を実施した.ゲーム内での2種類の銃を対象とし,それぞれの銃の標準状態および見た目・音のバリエーションを作成する「スキン」を適応した状態を4種ずつの計 10 種を実験刺激として選定した.ゲーム内の練習用射撃場ステージにて,この 10 種の武器を3回ずつ,計 30 回のプレイを実施し,打ちやすさに関する印象評価およびクリアタイムを算出した.20 歳から 25 歳の男女計 12 名の被験者に対する評価実験を実施したところ,見た目および音のいずれも,プレイパフォーマンスに対して統計的に有効な測定結果を得ることはできなかったが,見た目の変化およびこれに伴う音の変化に対する印象には,ある種の従属関係がみられる可能性が示唆された.