抄録
本デザインの目的は聴覚障がい学生に特化した自習用Eラーニングシステムをデザインすることである。
本稿ではその取組の一環である、文脈追従型字幕のデザインについて報告をする。文脈追従型字幕は状況に合わせて字幕の表示位置が変化する字幕である。これは注視すべき点と文字情報を近接させることにより、注視点移動をより少なくし、快適に学習するねらいから考案したものである。
また本デザインに対する評価実験も行った。ストレスには通常型字幕との差がなかったものの、視線の移動距離は有意に減少した。加えて、聴覚障がい学生にとって、Eラーニングコンテンツ視聴には字幕が最重要であることが確認された。今後は本デザインの適用範囲を詳細に検討していきたい。