本作品は、福島県会津地方に古くから伝承されている郷土玩具(張子)を新しい商品として開発するためのデザイン・プロジェクトによるものである。本稿は、「リサーチ」「デザインワーク」「プロダクション」という三つの視点で述べている。
リサーチから、張子の実用性やトレンドに注目し、「現代の若い女性を癒す」がコンセプトとなった。
デザインワークでは、試行錯誤しながら、通常の絵付けをしないで、羊毛を着せるという新しい発想で試作品が完成した。販売をすすめていく都合上、2015年の干支である羊(未)が題材に選ばれた。
試作品が完成した後のプロダクションでは、生産性などを改良しつつ、図1に示すように、最終的に新しい張子「ふわもこ羊」として商品化された。