デザイン学研究作品集
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開けやすい食品用瓶の開発
橋田 規子久保 美月
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2015 年 20 巻 1 号 p. 1_50-1_53

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抄録

 近年、国内ガラス瓶の出荷量は年々減少し、瓶製造会社は苦しい経営を続けている。主な理由としては、ペットボトルをはじめとする軽量で割れない樹脂容器が普及したことがあげられる。しかし、耐熱性や衛生性の点では瓶は樹脂容器よりも勝っており、瓶製容器は今後も需要があるといえる。本作品は、食品用瓶のデメリットの一つである「蓋の開けにくさ」について研究を行い、筋力が弱い女性、高齢者にも開けやすい瓶を開発したものである。
 開発ステップとしては、はじめに市販の食品用瓶を集め、蓋をあける動作の観察と主観評価を行い、開けやすい瓶の形の特徴を把握した。また、動作観察により「開けやすさ」には「持ちやすさ」も関係していることを導き出した。次に、得られた結果をもとに、6つのモデルを試作し、モニターを行った。主観評価を行うとともに、筋電計を用いて蓋を開ける時の力の入れやすさを計測した。結果、平行四辺形断面の案が最も力が入れやすいことが分かった。最後に、製品としての魅力度についてアンケートを行い、現行品よりも良い評価であることを確認した。

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© 2015 著作者
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