2016 年 21 巻 1 号 p. 1_2-1_7
室内の空間演出要素の中に額絵がある。通常の額絵は、平面上に顔料の塗布や素材の添付による表現を行い、自然光あるいは照明によって外側から照らされることによりその表現が視認されるが、照明が消灯している夜間の状況では、楽しむことができない。しかし、私たちの生活は、昼は明のとなるだろう。そこで、端部に白色LED光源を組み込んで全面を光らせるアクリル板上に、多様な和紙の平面あるいは立体造形を組み合わせ、外部からの光が得られる場合は陰影による素材感や立体感の違いによる構成を楽しみ、得られない場合はLED光源を点灯させ、プレート状光面上の和紙の透光性や色や植物繊維の見え方の違いを活かした構成表現を楽しめる額絵をデザインすることにした。また、そのシリーズ化に当たっては、同一デザインの製品が繰り返し生産できるよう適用製作手法を開発した。