日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
外傷患者におけるICTの介入前後での抗菌薬投与の比較検討
白井 邦博豊田 泉村上 啓雄吉田 省造加藤 久晶土井 智章中野 志保竹田 啓山田 法顕小倉 真治
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2010 年 13 巻 3 号 p. 334-340

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抄録

外傷患者に対する抗菌薬の基本的使用基準を作成し,その現状を調査した。対象は256例で,救急医のICDがいなかった前期と,救急医がICDを修得しICTを強化した後期で,感染率や予防的・治療的使用状況,感染部位や起炎菌について検証した。両群ともISS高値例が多く,感染率は後期(18.1%)が前期(29.2%)に比して有意に低率だった。予防的投与例のうち不必要な投与率は,後期(5.7%)が前期(25.9%)に比して有意に低率だった。治療的投与は,感染率の低下もあって,後期で有意に投与率が低下した。empiric投与後のde-escalation施行率は,後期(51.6%)が前期(21.2%)に比して有意に高率だった。両群とも感染部位は肺と尿路が,起炎菌は耐性菌が多かった。基本的使用基準の設定と,救急医が感染症専門医とともにICTとして活動することは,抗菌薬の適正使用に有用である と考えられた。

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© 2010 日本臨床救急医学会
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