2016 年 40 巻 1 号 p. 135-148
本研究では、日常生活スキルの自発的遂行に困難さを示す自閉症スペクトラム児2 名を対象に、自発的な自己管理スキルの使用を般化させるための方法の検討を目的とした。介入1期では、対象児自身が自己管理スキルを活用することを手続きの過程に組み込んだ。対象児は目標と評価基準を自分自身で設定し、バックアップ強化子を選定した。介入2期では、介入1期までの手続きに加え、対象児自身が作成した記録用紙と既存の計時装置を用いた。その結果、介入2期以降において対象児の記録の正確性が向上し、宿題を行う等の標的行動の自発遂行率も高く安定して推移した。さらに、自発的な自己管理スキルの使用が促進された。以上から、対象児が自己管理スキルを管理することに加え、対象児が作成した記録用紙と既存の計時装置を導入することの有効性が示唆された。今後の課題として、対象児が自発した自己管理スキルがどのような過程で獲得されたのかを明らかにする必要性が挙げられた。