2016 年 40 巻 1 号 p. 93-106
本研究は、視覚特別支援学校における「交流及び共同学習」の成果と今後期待されることを明らかにすることを目的とし、教員と保護者に質問紙調査を行った。因子分析の結果、学校間交流の成果として「視覚障害への理解」「児童生徒の成長」「地域における友人・人間関係」「児童生徒の経験拡大」の4 因子、居住地校交流の成果として「児童生徒の成長」「視覚障害への理解」「地域における友人・人間関係」の3 因子、地域交流の成果として「視覚障害への理解」「児童生徒の視野の拡大」「児童生徒の友人関係・基礎的能力の伸長」の3 因子が抽出された。課題として、児童生徒の実態に合わせた交流内容の設定や、中学部・高等部段階での交流機会の拡大、相手校の意識・理解が挙げられた。以上から、今後、視覚特別支援学校には児童生徒の教育目標により学校間交流と居住地校交流の回数を検討すること、地域交流を推進することが必要であると考えられた。