障害科学研究
Online ISSN : 2432-0714
Print ISSN : 1881-5812
実践報告
自閉スペクトラム症のある大学生における自主学習の促進
行動契約法を用いた学習に対する動機づけの向上
佐々木 銀河青木 真純五味 洋一野呂 文行
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 41 巻 1 号 p. 221-230

詳細
抄録

本研究では、自閉スペクトラム症のある大学生1 名に対して行動契約法を導入し、学生による自主学習が促進されるかを検討した。初回来談時のアセスメントの結果をもとに支援計画を立案した。まず、自主学習時において取り組む問題数を設定する目標設定を行った。その後、目標を書面化し、対応する強化子の提供等を明記した行動契約法を導入した。行動契約法の後で、再び目標設定のみによる自主学習の促進効果を評価した。その結果、目標設定のみでは自主学習は促進せず、行動契約法によって自主学習が促進されることが示された。この結果について、行動契約法で設定される強化子の設定・管理および障害学生支援としての意義について検討した。

著者関連情報
© 障害科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top