2017 年 41 巻 1 号 p. 243-253
本研究では、難聴指導教室に在籍する小学2 年生の重度難聴男児1 名を対象に、30 分間(全8 回) の授業内にて呼気制御のための指導を行い、児童の発音にどのような影響を及ぼすかについて追究した。その指導内容は、「ホイッスルやシャボン玉を用いた呼気制御」、「/a/発声の練習」、「絵本の全体のストーリーを捉えた上で、一節の朗読」であった。それらの経過を指導時間内に対象児と保護者に提示し、その効果を検討した。指導の結果、対象児は呼気制御を習得し、発声持続時間の増加、声質の安定が見られた。また保護者は対象児の発話の変化に対して肯定的意義を見出した。今後の課題は、呼気制御が可能となった対象児に、歌唱を用いた指導を行い、歌唱と発話に及ぼす影響について検討する。