障害科学研究
Online ISSN : 2432-0714
Print ISSN : 1881-5812
原著
精神薄弱児施設に想定された特殊教育の代替的機能とその厳しい現実
— 1953 (昭和28) 年の「教育上特別な取扱を要する児童・生徒の判別基準について」通達後を中心として—
高野 聡子
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2021 年 45 巻 1 号 p. 15-29

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抄録

1953 (昭和28) 年に「教育上特別な取扱を要する児童・生徒の判別基準」が作成され、特殊学級および養護学校の対象になる者と、精神薄弱児施設の対象になる者とに分けられた。本論文では精神薄弱児施設の視点から1953年から380号が通達される年の1962年までを対象に精神薄弱教育との関係について検討した。検討の結果、精神薄弱教育は精神薄弱の程度によって、精神薄弱児施設は児童福祉法の規定によって、それぞれの対象となる精神薄弱児を設定していたことが明らかになった。だが、精神薄弱児施設のみならず特殊学級および養護学校の設置数も十分ではなく、在宅指導の精神薄弱児数が一定数おり、精神薄弱児施設は年齢超過者の問題、施設内学校および学級の設置問題など多様な問題を抱えていた。そのため精神薄弱児施設は特殊教育が精神薄弱児施設に想定した代替的機能を担ってはいたが、精神薄弱児施設にとってそれは施設機能の一部であった。

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