本研究では、中国語の音読に影響する認知能力を解明するために、中国大陸の児童を対象に単語音読成績を予測する認知能力を検討した。中国のA省におけるA小学校とB小学校の1~6年生672人を対象に、音読検査および認知能力検査 (音韻的能力、視覚的能力、呼称速度、形態論的認識力を評価する検査)、語彙力検査、非言語的知能検査を実施した。重回帰分析の結果、視覚的能力と呼称速度は低学年の児童の単語音読成績を予測した。また、語彙力と音韻的能力は2~6年生の単語音読成績を予測した。本研究では、中国語の音読成績に影響する認知能力は児童の発達年齢が上がるにつれて変化することがわかった。それは、中国語の文字体系や中国大陸における音読の指導方法に影響されていると考えられる。