本報告は、通級指導教室担当教員を対象としたオンラインによるオンデマンド型講義研修とOJT事例検討の効果と課題を検討した。講義研修では、受講後のアンケートの回答内容を分析した。事例検討では、各受講生が担当児童生徒1 名について作成した「個別の指導計画」について、受講生・大学教員・指導主事が討議した記録と「個別の指導計画」の修正状況、受講生のまとめの報告を用いて分析を行った。その結果、講義研修では、受講生は特別支援教育に関する理念や法律などについての知識や発達障害全般に関する基礎的な知識、障害理解啓発の重要性を理解できたと考えられた。 しかし、個に応じた指導・支援方法とともに、具体的なアセスメントの方法や結果の活用方法など子どもの実態を把握することに困難さがあることがうかがわれた。事例検討では、受講生が具体的な支援例を挙げることで、研修で得た知識を活用し、児童生徒に支援を行うことができると考えられた。