2022 年 46 巻 1 号 p. 27-40
本研究では、発達障害のある子どもが在籍する通常学級への授業コンサルテーションの現状と課題を明らかにすることを目的とした。特別支援教育および発達障害、コンサルテーションを専門とするコンサルタントを対象に質問紙を実施し、67名から回答を得た(回収率 50.4%)。その結果、小中学校から発達障害のある子どもが在籍する通常学級への授業コンサルテーションの依頼を受けたことがあると答えたのは、45名(68.2%) であった。計量テキスト分析の結果から、授業コンサルテーションにおいて困難だと思われることは、日程調整や時間の制約に関すること、児童生徒やコンサルティのアセスメントについてなどであった。また、授業コンサルテーションを円滑に進めるためにコンサルタントに求められることは、学校の実態に即した提案をすること、教員それぞれの専門性を把握すること、通常学級での一斉授業の仕方を知っておくことなどが示された。